映像の端を失わずに手ぶれ動画を補正する

2026年10月23日、AI Video Enhancer Studio 2026.7.23 で実測 • ContentaSoft Team

クリップを手ぶれ補正すると、撮ったときより寄った絵になることがあります。頭の上が切れ、端にあった看板が消えています。これは補正が拡大しているためです。AI Video Enhancer Studio では残す画面の割合を決められ、拡大はそこで止まります。

87.7%自動で残った画面(手ぶれのあるテストクリップ、強)
95.6%同じクリップで 95% 以上 にしたときに残った画面
100%拡大なしで残る画面(その代わり縁が動きます)

手ぶれ補正で拡大される理由

揺れを打ち消すため、補正は各フレームを逆方向へずらします。左へ 10 ピクセルずらしたフレームは、右側に 10 ピクセルのすき間を残します。このすき間を隠すため、動画全体をクリップ内の大きな揺れに足りる一定の倍率で拡大します。

つまり揺れが大きいほど拡大も大きくなり、端で失う映像も増えます。AI Video Enhancer Studio は ffmpeg の vidstab フィルターで補正します。何も指定しなければ vidstab が拡大率を決めます。切り取りの上限を設定すると、最低限残す画面の割合を決められます。

自動 87.7% 動画に残る部分 95% 以上 95.6% 動画に残る部分 拡大で切れる部分
同じ手ぶれクリップを実寸比で描いたもの。破線の枠が動画に残る範囲です。左:補正が拡大率を選ぶ場合。右:画面の 95% で拡大が止まる場合。

トレードオフ

拡大は無駄ではありません。補正がフレームを動かすための余白です。拡大を制限すると、各フレームを動かせる量も制限されます。上限より少ない余白で足りるクリップは、これまでとまったく同じ結果になります。それ以上必要なクリップでは、打ち消す余地のない分の揺れが残ります。

自動

揺れに必要なだけ拡大します。いちばん滑らかで、失う映像もいちばん多くなります。初期設定です。

95%・90%・85%・80% 以上

選んだ割合で拡大が止まります。軽い揺れはこれまでどおり完全に取れます。激しい映像では動きの一部が残ります。

100%(拡大なし、縁が動きます)

何も切り取られません。揺れを打ち消すためにフレームは動き続けるので、代わりに縁に沿って帯が動きます。縁のピクセルが少し引き伸ばされ、その先は黒になります。

実測した結果

テストクリップ:手持ちで撮った街の映像、320×240、8 秒。AI Video Enhancer Studio のコマンドラインで強の補正をかけました。拡大率は ffmpeg がそのクリップについて報告した値、残った画面はその拡大後に残る面積です。

残す画面の割合拡大率残った画面
自動6.35%87.7%
80% 以上6.35%87.7% · 上限に届かず
90% 以上3.75%92.6%
95% 以上2.21%95.6%
100%(拡大なし)0100% · 縁が動く

このクリップでは 80% 以上にしても何も変わりませんでした。必要な拡大がそれより小さく、上限が効かなかったためです。この設定は最低限残す割合であって、目標値ではありません。90% では 90% より少し多く残りました。上限は拡大の上限であり、補正はそれより小さく使うこともあります。

揺れがとても大きい映像では

上限がいちばん効き、代償もいちばん大きいのがこの場合です。補正は上限が残す余白の範囲でしかフレームを動かせないので、大きな揺れは一部しか打ち消せません。映る範囲は広く残り、動きは少し多く残ります。揺れが気になるなら一段下げてください(95% から 90%、90% から 85%)。滑らかさより端が大事なら、高い値のままにします。

アプリでの設定方法

  1. 動画を追加して 次へ をクリックします。
  2. 設定 で 手ぶれ補正 を弱・中・強のいずれかにします。プリセットから始める場合は先にプリセットを選んでください。プリセットを選ぶと切り取りの上限は自動に戻ります。
  3. そのすぐ下の 残す画面の割合 を開き、95% 以上・90%・85%・80% 以上、または 100%(拡大なし、縁が動きます) を選びます。この設定は手ぶれ補正がオンのときだけ表示されます。
  4. エンハンスを開始 をクリックします。

コマンドラインから

同じ上限は --stabilize-keep で指定します。50 から 100 までの整数、または auto(既定)です。--stabilize か、手ぶれ補正を含むプリセットが必要です。どちらもない場合、コマンドは上限を無視せず、エラーとして断ります。AI エージェントは MCP の enhance_video ツールで stabilize_keep として指定します。

# 1 本のクリップ、強、画面の 95% 以上を残す
aivideoenhancer enhance shaky.mp4 --output .\stable --stabilize strong --stabilize-keep 95

# フォルダー全体、中、拡大なし
aivideoenhancer enhance .\clips --output .\stable --stabilize medium --stabilize-keep 100

知っておくと良いこと

手ぶれ補正は ffmpeg の vidstab フィルターで CPU 上で動きます。AI ではなく、グラフィックボードも不要です。

100% で消えるのは拡大であって、補正そのものではありません。揺れを打ち消すために映像は動き続けるので、縁も動きます。

カメラが傾くと、上限の有無にかかわらず、一部のフレームの角に細い縁が見えることがあります。拡大率は左右と上下の動きに合わせて決まるためです。

監視フォルダーには残す画面の割合の設定がありません。そのプリセットは自動で補正します。

手ぶれ補正が初めてですか。強さの選び方やドローン・スマートフォン向けのコツはこちらのガイドにあります: 手ブレ動画を安定化する方法:ドローン、GoPro、スマホ映像(2026年ガイド)

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