HDRを失わずにHDR動画を圧縮する方法

2026年10月23日 • VideoRecompress Studio Team

iPhoneのHDRクリップが圧縮後に灰色っぽく色あせるのは、変換ソフトが10ビットのHDR映像を8ビットに押し込むか、プレーヤーにHDRだと伝えるタグを失うためです。バージョン2026.2.25以降のVideoRecompress Studioは、H.265、AV1、VP9を選ぶとHDR10とHLGを10ビットのまま保ち、シングルレイヤーのDolby Visionも引き継ぎます。H.264を選ぶと、HDRを通常のSDR映像に正しく変換するので、色が崩れません。

−72 %AV1で50.3 MBから14.2 MBに縮小、HLG 10ビットのまま
−78 %CPUのH.265+ノイズ除去「弱」で50.3 MBから10.9 MBに縮小、HLGとDolby Visionを維持
1797/1797CPUで作ったファイルの全フレームにDolby Visionメタデータが残っています(ffprobeで確認)

2026年10月23日、VideoRecompress Studio 2026.2.27、Ryzen 9 3900X+RTX 3080、既定の品質(23)、MP4で測定。クリップはiPhoneが記録するHDR形式と同じHLGベースのDolby Vision 8.4、1080p60、30秒、14 Mbit/s:「Test Jellyfin 1080p DV P8.4」(提供:Gnattu、CC BY-SA 4.0、出典:Jellyfin test videos)。

圧縮したHDR動画が色あせる理由

HDR動画は光を別のカーブ(HDR10はPQ、スマートフォンやテレビはHLG)で記録し、1色あたり10ビットと広いBT.2020の色を使います。ファイル内のタグが、どのカーブかをプレーヤーに伝えます。変換ソフトが8ビットで書き出したり、そのタグを失ったりすると、プレーヤーはHDR信号を通常の映像として表示し、平坦で灰色っぽく、薄い色になります。正しい結果は二つだけです。

HDRを維持10ビット、BT.2020、HDRのカーブとタグ。HDR画面で明るいハイライト。
中途半端な変換8ビットのファイルに入ったHDR映像、またはHDRタグの欠落。どこで見ても灰色っぽく色あせます。
SDRに変換トーンマッピングで通常の8ビットBT.709映像に。どの画面でも正しい色。HDRのハイライトはありません。

VideoRecompressがHDRをどう扱うか

出力HDR10とHLGiPhoneのDolby Vision
GPUのH.265維持、10ビットDolby Visionレイヤーは外れ、HLGとして再生
H.265、ソフトウェア(CPU)維持、10ビット維持(MP4またはMKV、同じフレームサイズ)
AV1維持、10ビットDolby Visionレイヤーは外れ、HLGとして再生
VP9維持、10ビット(HDR10+も)Dolby Visionレイヤーは外れ、HLGとして再生
H.264SDRに変換SDRに変換

iPhoneはHLG映像の上にDolby Visionを記録するため、Dolby Visionレイヤーがなくてもファイルは引き続きHDRとして再生されます。アプリでは各ファイルの行に何が保たれたかが表示されます。「HDR を SDR に変換」にチェックを入れると、どのコーデックでもSDRになります。手ぶれ補正は8ビット映像でしか動作しないため、これもSDRに変換されます。

実測:iPhone形式のクリップ1本を4通りで

同じクリップを既定の品質で、コマンドライン(recompress)で1本ずつ処理しました。recompressはコーデックがすでに一致していても再エンコードします。アプリでは、このH.265クリップをH.265にするには、ノイズ除去「弱」の行のように実際の変更が一つ必要です。時間は処理全体のものです。

元ファイル:H.265、HLGベースのDolby Vision 8.4 · 50.3 MB

AV1CPU14.2 MB · −72 % · 74 s · HLGを維持
H.265CPU+ノイズ除去「弱」10.9 MB · −78 % · 50 s · HLG+Dolby Visionを維持
H.265GPU (NVENC)16.9 MB · −66 % · 7 s · HLGを維持
H.265CPU11.6 MB · −77 % · 85 s · HLG+Dolby Visionを維持
H.264GPU (NVENC)32.4 MB · −36 % · 58 s · SDR

結果をffprobeで確認:四つのHDRファイルは10ビット(yuv420p10le)、BT.2020の色、HLG伝達特性(arib-std-b67)。CPUのH.265ファイル2本はDolby Vision 8.4の記録も保ち、1,797フレームすべてにDolby Visionメタデータがあります。H.264ファイルは8ビットBT.709のSDRです。同じ映像にH.264はより多くのデータが必要なため、最も大きくなっています。

画面別のコーデックの選び方

再生する場所選ぶもの結果
iPhone、iPad、MacH.265 (HEVC)HDR
HDRテレビ、Plex、メディアプレーヤーH.265 (HEVC)、MP4またはMKVHDR
YouTubeへのアップロードH.265またはAV1HDR
HDR画面のWindows PCH.265またはAV1HDR(Microsoft StoreのHEVCまたはAV1ビデオ拡張機能が必要)
古いテレビ、プロジェクター、通常の画面、誰とでも共有H.264正しい色のSDR
iPhoneのDolby Visionを残すH.265 (HEVC)+ソフトウェア(CPU)、MP4またはMKV、同じフレームサイズDolby Vision

iPhoneのクリップはすでにH.265です。H.265のまま小さくするには、ノイズ除去「弱」などの実際の変更を一つ加えるか(手順を参照)、再生する画面が対応していればAV1を選んでください。元ファイルを消す前に、使う画面で結果を1本再生して確かめてください。

VideoRecompress Studioでの手順

iPhoneのクリップはすでにH.265 (HEVC)です。アプリは、ほかに何か変更しない限り、動画をすでに使われているコーデックに再エンコードしません。H.265を選んだだけのiPhoneクリップはスキップされ、MP4として保存する.MOVはコピーされるだけで小さくなりません。品質設定だけでは変更として扱われません。

  1. 動画を選択:HDRクリップまたはフォルダーごと追加します。次の手順に「HDRコンテンツが検出されました。」と表示されます。
  2. 設定、Codec:iPhoneのクリップにはAV1を選びます。HDR10とHLGは10ビットのまま、Dolby Visionレイヤーは外れます。まだH.265でないHDRファイルなら、H.265 (HEVC)も使えます。H.264はSDRになります。
  3. 代わりにiPhoneのDolby Visionを残すには:H.265 (HEVC)を選び、ハードウェア加速をソフトウェア(CPU)にし、「設定と出力」でフィルターを開いてノイズ除去を「弱」にします。この変更でアプリがクリップを再エンコードします(トリミングやフレームレートの変更も変更として扱われます)。サイズ変更、切り抜き、回転はしないでください。Dolby Visionが外れます。
  4. 設定と出力:コンテナーにMP4またはMKVを選び、「HDR を SDR に変換」はオフのままにします。SDRファイルが欲しいときだけチェックします。
  5. 再圧縮を開始をクリックします。各ファイルの行に、そのHDRがどうなったかが表示されます。

コマンドラインから

videorecompressコマンドラインも同じルールです。batchは、ほかに何も変えなければ、すでに目的のコーデックのファイルをスキップします。recompressは1本のファイルなら再エンコードします。HDRは既定で維持され、--hdr sdrで意図的にSDRへ変換します。

HDR10とHLGを残す(iPhoneのクリップはすでにH.265なのでAV1):

videorecompress batch "D:\iPhone HDR" -o "D:\iPhone HDR\small" --codec av1

Dolby Visionも残す(CPUのH.265、変更としてノイズ除去「弱」):

videorecompress batch "D:\iPhone HDR" -o "D:\iPhone HDR\small" --codec h265 --hw-accel software --denoise light

意図的にSDRへ変換:

videorecompress batch "D:\iPhone HDR" -o "D:\iPhone HDR\sdr" --codec h265 --hdr sdr

各ファイルにHDR行が出力されます。例:HDR: HLG kept (10-bit, bt2020)。--jsonではhdrフィールドがkeptまたはtonemappedになります。

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よくある質問

iPhoneのHDR動画が圧縮後に色あせて見えるのはなぜ?

変換ソフトがHDR映像を8ビットで書き出したか、HDRタグを失ったため、プレーヤーがHDR信号を通常の映像として表示しています。元ファイルから圧縮し直してください。HDRを残すならAV1、またはノイズ除去「弱」などの実際の変更を加えたH.265、正しいSDRにするならH.264です。

HDR動画を圧縮するとHDRは失われますか?

出力が10ビットでHDRタグを保てば失われません。VideoRecompressではH.265、AV1、VP9でそうなります。テストでは、AV1がiPhone形式の50.3 MBのクリップを14.2 MBにし、HLG 10ビットのまま再生できました。

圧縮してもDolby Visionを残せますか?

シングルレイヤーのDolby Vision(プロファイル5と8、iPhoneの動画を含む)なら可能です。H.265とソフトウェア(CPU)、MP4またはMKVを選び、フレームサイズを変えず、ノイズ除去を「弱」にして、すでにH.265のクリップを再エンコードさせます。GPU、AV1やVP9、サイズ変更ではDolby Visionレイヤーが外れ、下のHDR10またはHLG映像が残ります。プロファイル5には下の映像がないので、CPUで処理してください。デュアルレイヤーのDolby Vision(プロファイル7、UHD Blu-ray)はHDR10映像だけが残ります。

HDR動画をSDRに変換するには?

「設定と出力」で「HDR を SDR に変換」にチェックを入れるか、コマンドラインに--hdr sdrを加えます。どのコーデックでもトーンマッピングで8ビットBT.709になります。H.264を選ぶと自動で行われます。

HDR動画を手ぶれ補正してHDRを残せますか?

いいえ。手ぶれ補正は8ビット映像で動作するため、補正したHDRクリップは正しい色のSDRに変換されます。ファイルの行にその旨が表示されます。

HDRクリップを圧縮して、HDRを残す

期間制限のない無料試用版:最初の 10 ファイルはウォーターマークなしで変換されます。それ以降のファイルにはウォーターマークが入り、10 分までに制限されます。購入すると両方とも解除されます。

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