プリセット「テープ修復」:取り込み済みの VHS・Hi8・MiniDV を、どの PC でも見やすい映像に

2026年10月6日、AI Video Enhancer Studio 2026.7.20 で実測 • ContentaSoft Team

テープはすでにファイルになっているのに、動くたびにくし状の線が出て、暗い部分に色の斑点が浮き、画面の下端には乱れた帯があり、画面は歪み、声の下でブーンという音が鳴っている。プリセット「テープ修復」は、これらを 1 回の処理で直し、正しい 4:3 のなめらかな映像にします。使うのはプロセッサーだけなので、どの PC でも動作します。グラフィックカードは必要ありません。

50p / 59.94pフルモーション:インターレースのテープの各フィールドが 1 フレームになります
4:3正しい縦横比の正方形ピクセル。引き伸ばしはありません
3-4×インターレースのテープファイルで実時間より高速(当社の 12 コア デスクトップ)
処理前:テープの劣化を模擬したテスト映像。色ノイズと下端のノイズ帯がある 640×480 の NTSC フレーム処理前
処理後:テープの劣化を模擬したテスト映像。プリセット「テープ修復」をかけた同じフレーム。色ノイズが減り、下端の帯は切り取られています処理後
テープの劣化を模擬したテスト映像で、実際のテープではありません。左:640×480 の NTSC テストファイルの 1 フレーム(保存されたままの状態)。右:下端の帯を切り取ってプリセットをかけた同じ瞬間。640×472。

プリセットが行う処理(順番どおり)

  1. 必要ならノイズ帯を切り取ります。VHS、Video8、Hi8 では、ヘッドが切り替わる画面下端にノイズの帯が残ります。オプションにチェックを入れると切り取られます。
  2. ファイルごとに確認します。インターレースかどうか、どちらのフィールドが先かを検出します。プログレッシブのファイルはデインターレースしません。
  3. フルモーションでデインターレースします。PAL 25i は 50p に、NTSC 29.97i は 59.94p になります。
  4. 色ノイズを減らします。色(クロマ)のノイズを、明るさのディテールよりも強く低減します。
  5. 縦横比とレベルを整えます。映像を正しい 4:3 の正方形ピクセルに変換し、ビデオレベルを規格の範囲内に保ちます。
  6. 音声をきれいにします。電源ハムを除去し(PAL 圏は 50 Hz、NTSC 圏は 60 Hz と、それに続く 4 つの高調波)、ヒスノイズを軽く低減します。

出力は高画質の H.264 です。

標準で AI アップスケールを使わない理由

これらの不具合は、どれもピクセル数の不足ではありません。くし状の線、色ノイズ、誤った縦横比、ハム音は、通常の映像フィルターと音声フィルターで直せます。そのため標準では AI の処理は実行されず、グラフィックカードも必要ありません。また、テープに映った顔を AI でアップスケールすると不自然に見えることがあります。NVIDIA RTX カードを搭載した PC では、オプションとして AI アップスケールを追加し、ご自身の映像で結果を確かめられます。

実測した結果

テストファイル出力
720×576, 25i (PAL)768×576, 50p
720×480, 29.97i (NTSC)720×540, 59.94p
640×480, 29.97i640×480, 59.94p
720×576 DV、プログレッシブ768×576、25p(プログレッシブのまま)

デインターレース

アプリのエンジンにある 4 種類のデインターレーサーを、3 本のクリップで本物のプログレッシブ参照フレームと比較しました。プリセットが使うもの(bwdif)は yadif より 0.5~1.6 dB、最も弱いものより最大 6.4 dB 高い結果でした。フィールド順を誤ると約 13 dB 悪化するため、決め打ちにせずファイルごとに測定します。

色ノイズ

テストクリップではクロマの PSNR が 5~8 dB 向上し、ルマの構造(SSIM)は変わりませんでした。アプリの汎用ノイズ除去「強」は、動きの速いシーンでルマの SSIM を 0.837 から 0.795 に下げました。そのためテープ用プリセットでは使っていません。

ハム音

テストクリップでは、ハム音とその高調波が 60 dB 以上下がりました。ハム音が公称周波数から 0.7% ずれている場合、フィルターだけでは約 31 dB でした。現実的な数値は 31 dB とお考えください。

速度

プロセッサーのみ、12 コアのデスクトップ(Ryzen 9 3900X)での結果:インターレースのテープファイルで毎秒 145~200 フレーム(実時間の約 3~4 倍)、プログレッシブの DV ファイルで実時間の約 7 倍。このマシンでは 1 時間のテープがおよそ 15~20 分です。ほかの PC では測定していません。

ファイルサイズ

インターレースのテストファイル 4 本のうち 3 本は大幅に小さくなりました。72 MB の DV クリップは 6.5 MB になりました。すでに圧縮されていた MPEG-2 ファイル 1 本は、10.2 MB から 15.0 MB へと大きくなりました。出力は高画質で、フレーム数が 2 倍になるためです。

処理前:テープの劣化を模擬したテスト映像。くし状の線と下端のノイズ帯がある NTSC のフレーム処理前
処理後:テープの劣化を模擬したテスト映像。プリセット「テープ修復」をかけた同じフレーム。下端の帯は切り取られています処理後
テープの劣化を模擬したテスト映像で、実際のテープではありません。左:720×480 の NTSC テストファイルの 1 フレーム(保存されたままの状態)。右:下端の帯を切り取ってプリセットをかけた後。正方形ピクセルで 720×532。

アプリ、コマンドライン、AI エージェントから使う

アプリでは テープ修復 を選びます。プリセット一覧の先頭にあり、どの PC でも動作 のマークが付いています。下端の帯を切り取るオプションは「設定」ステップにあります。

# ファイル 1 本
aivideoenhancer enhance tape01.avi --output .\restored --preset tape_restoration

# VHS キャプチャーのフォルダー:下端の帯を切り取り、50 Hz のハム音を除去
aivideoenhancer enhance .\captures --output .\restored --preset tape_restoration --crop-bottom --hum 50

# 各動画の 30 秒のビフォー/アフター クリップも保存する
aivideoenhancer enhance .\captures --output .\restored --preset tape_restoration --compare --compare-seconds 30

--hum には off、auto、50、60 を指定できます。auto では周波数がファイルに合わせて決まります(PAL は 50 Hz、NTSC は 60 Hz)。--crop-bottom はこのプリセットでのみ使え、--compare-seconds は --compare の動画の長さを指定します。

AI エージェント。MCP サーバーでは同じオプションをパラメーターとして指定します:preset、crop_bottom、hum、compare、compare_seconds。

監視フォルダー。アプリの監視フォルダーでは、このプリセット、帯の切り取り、ビフォー/アフター クリップを使えます。CLI に監視コマンドはありません。

お客様に見せるビフォー/アフター クリップ

「出力」カードまたは監視フォルダーで 各動画の 30 秒のビフォー/アフター クリップも保存する にチェックを入れます。修復した動画ごとに、名前の末尾が _compare のファイルがもう 1 本作られ、左に元の映像、右に結果が並びます。ダビング店は注文品に添えて、何をしたのかをお客様に見せられます。

限界

テスト映像であり、実際のテープではありません。測定には、きれいな映像にテープの劣化(色ノイズ、ヘッド切り替えの帯、ハム音、ヒスノイズ)を模擬的に加えたものと、本物の DV ファイル 1 本を使いました。測定に使える実際の取り込みテープがなかったためです。実際のテープでは結果が変わります。

取り込み時の不具合は残ります。取り込みの段階で起きた問題は、ソフトウェアでは直せません。画面の揺れやジッター(タイムベースエラー)、コマ落ち、取り込み機器がすでに行った質の悪いデインターレースなどです。

色補正は行いません。プリセットはレベルを規格の範囲内に制限します。浮いた黒レベルや色かぶりは補正しません。

デインターレースの最高峰ではありません。bwdif は、アプリのエンジンで測定した 4 種類の中で最も良い結果でした。より遅く手の込んだ方式も存在しますが、このプリセットでは使っていません。

ご自身のキャプチャーでプリセットを試してください

無料体験、期間制限なし。 アカウントもクレジットカードも不要。

無料体験版をダウンロード

関連記事: VHSテープの復元 · DVD と VHS を 1080p に:まずデインターレース · CLI、MCP、エージェントによる AI ビデオ強化の自動化